コモディティ化しているエアコンのメーカーが伸びているのはなぜか
テレビは完全にコモディティ化して、なおかつ、基本機能だけの廉価版と、ネットワーク対応の高級版に二分されたように思います。
なんとなくそれはテレビ業界が自分で陥ったワナなような気もしています。
地デジ化が進む数年前、ハイビジョンテレビが一斉に売り出されました。
買った方はそんなに多くなかったかもしれませんが、あれ、いりませんよね?
だって数年後には地デジ化で使えなくなるのに。
平気でそんなものを売りつける電機メーカーにあぜんとしたことを覚えています。
テレビのコモディティ化はグローバルで進んでいるようですが、家電の中でそうではない商品があります。
エアコンです。
いや、エアコンもコモディティだよね?
という反論は当然です。
でも、戦略と戦術によって、コモディティがコモディティにならない場合があります。
先日、所要あって関西経済連合会にお邪魔してきました。
そこで、世界一の空調メーカーであるダイキン出身の方のお話を伺うことができたのですが、同社の成長の軌跡がとても面白かったのです。
それはコモディティであるエアコンを世界に売っていった成長の軌跡でした。
かいつまんで書き記すとこんなニーズにこたえてきたという話です。
〇 温暖な地域ではヒーターは不要だが、エアコンは必要だった。
〇 後進国でもOA化が進めば、オフィスのエアコン需要が高まった。
〇 エアコン設置は工事を伴い、それは各国の住宅事情と密接に関係するものだった。
〇 騒音に対する許容度の違いなど、日本と同じ製品が付加価値を持たない場合を早期に理解した。
などなど。
エアコンは生活家電であるから、生活文化に大きく左右されるものでした。
似たような話で、洗濯機や冷蔵庫の話もありますよね。文化によって使われ方が全然違う、という。
で、上記が私の専門である組織・人事にどう関係するかというと。
ダイキンでは早期から進出先の現地国での採用を活発に行なってきました。
それは、上記で記したように、その国の生活文化を理解できるのは、その国の人だからです。
特に、フロントとなる営業社員を重点的に採用した。
現地代理店網の一括買収も行った。
そうして、早期に人材のローカル化を進めたわけです。
一方で、理念の浸透を図るために、外国に溶け込みやすいグローバル人材の採用に力を入れた。
そして採用した人材を国内にとどめ置くのではなく、海外にどんどん派遣した。
私がかつて在籍していたアーサーアンダーセンからも多くの優秀な若手が転職しました。その中には、そのまま10年にわたってヨーロッパで活躍している人もいます。
これは言い換えると、事業ニーズにあわせて求める人材像を柔軟に変化させていったということでもあります。
それぞれの文化を前提とした企業の発展。
そのための人材の柔軟な活用。
株価も最近は右肩上がりで推移している、ダイキンをしばらくウォッチしてみようと考えました。
セレクションアンドバリエーション株式会社
平康慶浩(ひらやすよしひろ)