部長以上の役割は課長とどう違う?
以前、「担当者」「係長」「課長」それぞれの役職に違いがあるという話をしました。
今回はその上の部長とか役員についてもそんな「一言でいうと」どうなるのか、ということを整理してみたいと思います。
ちなみに前回、
「担当者」は「いわれたことができる人」。
「係長」は「決まっていることができる人」。
「課長」は「決められる人」。
という記事を読んでもやもやした人もいるのではないでしょうか。
実際にお声がけいただいた方からは、こんなことを聞きました。
「係長っていつも言われたことしかやっていないような……」
「うちの課長は決まっていることしかやってないんだけれど」
「そもそもうちの会社に『決められる人』なんていないよ」
おっしゃるように、実態としては会社によって役職ごとの役割はばらばらです。
同じ会社の同じポジションの人でも、役割に違いがあることは普通。
けれども、それは本来の組織の形ではありません。
人によって役割が違うとなると、肩書に意味がなくなってしまいます。
そして肩書に意味がなくなる、ということは、組織の形がいいかげんなものになってしまうということです。
VUCAの時代と言われるときに、誰か決めて誰か実行するかもはっきりしていない組織では、勝ち抜くことはむずかしいでしょう。
さて、そんな時代の「部長」の役割を一言でいうと
「多くの人を巻き込める人」
です。
課長と部長との役割の違いとは、部署や機能部門など、今まで率いてきた組織の枠の中で活躍するか、それを超えるか、という違いです。
そして自分の部署に対してであれば、課長は命令ができます。しかし別の部署に対してはそれができません。タコつぼ化現象などともいわれますね。
しかし、そういう組織の枠を超えた巻き込みが期待される役割。
それこそが部長なのです。
課長までは自分の担当領域でしっかり戦ってくれればいいのです。
けれども部長になるとそのうえの仕事をしてもらわないと困ります。
それこそが「巻き込み」です。
これは事前調整などと似ていますが、もちろんそれだけではありません。
むしろ時に大ぼらを吹いたり、夢を描いたり、そして時には現実的な着地点を決めながら、参画する多くの人たちが気が付けば自分の役割を持って動いている状態をつくりあげること。
あなたの会社には、そんな部長が何人くらいいるでしょう?
平康慶浩(ひらやすよしひろ)