人事の「自己評価」には百害あって一利なしだと主張する理由
昔の人事コンサルタントの中には、人事評価では自己評価が大事だ、という人たちがいる。
しかし、自己評価は大事じゃないし、むしろ害の方が大きい。
そんなことを話すことが多いのだけれど、そのたびに理由を聞かれるので、面倒だからここに書いとく。
人事で自己評価に意味がないという理由
【前提】
・自分のことを客観的に評価できる人は少ない
・また、給与に関係する評価であれば、高めに自己評価しようとするインセンティブが働く
【評価される側の行動】
・【前提】の理由から、本来の評価よりも高めの自己評価をつける。
・上司はそれを見てから評価をする。
・その結果、たいていの上司は以下の2種類の行動のどちらかを取る。
【上司側の行動】
行動①
⇒自己評価が高すぎるとして、下げる評価を行う
⇒あるべき形としてはギャップを理解して改善につなげることになる
⇒しかしそもそも自己客観視ができていない本人にすれば否定された気持ちにしかならない
⇒うちの人事制度はダメだ!うちの上司はわかってない!となる。
行動②
⇒意識するとしないとに関わらず、自己評価にひきずられる
(アンカリング)
⇒結果として評価が高止まりしやすくなる
⇒自己評価を高くつける人が得をするようになってしまう
そもそも、人が自分のことを客観的に判断できるくらいなら、犯罪者は全員自主するはずだし、紀元前から裁判なんてものがあるわけない。
人は極めて大きな確率で、自分が得をするように判断をするものだ。
じゃあ自己評価なしでどうやって評価を育成につなげるのか、ということについては、僕のセミナーなり講演なりを聞いてみてほしい。たしか毎月どっかで話してるはずだから、SMBCコンサルティングとかグロービスとか検索してみて。
お仕事の依頼になりそうなら、弊社のアドレスまでどうぞお気軽に。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)