あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

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セミナー紹介「等級制度を変えないと旧い人事の常識は変わらない」という話をします

2014年10月3日(金)の14時~16時で、こんなセミナーで話をする。

 

セミナー情報: 等級制度で理解する人事評価制度の本質 | Glodea

 

【構成】

1.職能等級制度の限界と今後

2.等級制度の変革が持つ意味

3.自社の等級制度をどう見直すべきなのか

4.人事部門の常識を変えられるか

 

概要は上記のような感じなのだけれど、大事なこととして「等級制度を変えないと、人事制度の抜本的変革が難しい」ということを説明する。

というのも、大企業も中小企業も、意外と「評価だけ」「報酬だけ」の変革をする場合があるからだ。

 

しかし昨今の人事制度過渡期においては、より本質的な改革が求められている。

本質を考えなければいけない最大のポイントは、「賃金カーブ」という発想から脱却することにある。

英語ではWage profileと言うが、国際比較したグラフにこんなものもある。

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これを見て、日本の賃金制度が年功的だ、というような指摘をすることもあるが、それだけでは済まない意識の変革が必要になっている。

そもそもこんな比較をするのは日本くらいだ。

その背景には生活給という概念があり、大きな政府が国民生活を守る、という全体主義思想がある。バブル前の日本が、最も成功した社会主義国と言われていた所以だ。

 

僕たちはどうしても「年相応の給与」という発想を持っている。

でも、年相応に給与が増える、という発想をしていると、どうしても行き詰まる。

そもそも以前、年相応に給与を増やせていたのは若い人が増え続けていたからだ。

だから仕事をしないおじさんでもそれなりの給与をもらえていた。

 

でも今はそうではない。

だから、「年相応の給与」をもらうために、「年相応に仕事を増やす」「年相応に仕事のレベルを上げる」という発想に変えなければいけない。

そうして、仕事を増やしたりレベルをあげたから給与が増える、という順になる。

 

そうするためには、等級制度を改革しなければいけない。

評価だけ、でもモチベーションや働き方は変えることができる。

報酬だけ、でもコストコントロールやインセンティブ化は実現できる。

でも本質的に、どう育ってほしいのか、どう働いてほしいのかを示せるのは等級制度だけだ。

そのことを説明したいと思っている。

 

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)

 

 

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