あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

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幸せは「欲」「過去」「他人」で測れる

喜ぶ人に嫉妬する人のイラスト(男性・単体) 

 


ブログに少し書きましたが、感情について調査を進めています。

調査の主役はインターン生たちなのですが、中でも立命館大学大学院の中川耀介くんはとても優秀で、いつも助かっています。

彼の調査資料の中で、極めてシンプルかつわかりやすいものがあったのでご紹介します。

 

それは「幸せを測る要因」についてです。

 

出典はフランソワ・ルロールとクリストフ・アンドレの著書「感情力」です。 

感情力―自分をコントロールできる人できない人

感情力―自分をコントロールできる人できない人

 

 

ルロールとアンドレは、幸せは引き算だと定義しています。

 

ポジティブな経験と、ネガティブな経験との引き算。

その差が少ないほど、人は幸せを感じると言います。

 

さて、これだけだったら「ふーん」で終わりますよね。

 

ルロールとアンドレが面白いのは、この差は3種類ある、と定義している点です。

 

第一の幸せは「今持っているもの」と「自分が欲しいもの」の差で決まります。

第二の幸せは「現在の状態」と「過去の一番良かった状態」の差で決まります。

第三の幸せは「自分が持っているもの」と「他人が持っているもの」で決まります。

 

この3つが掛け算されると、その人が今幸せを感じている度合いがわかるといいます。

 

「自分が欲しいもの」「過去の一番良かった状態」「他人が持っているもの」

 

この3つが今の私たちの幸せを決定しているというのです。

 

特にほしいものがなく、

毎日少しずつ生活が良くなっていて、

周りの人との差が小さい。

 

そんな状況が人にとって一番幸せを感じやすい、という計算がなりたちます。

 

欲と過去と他人。

 

それらが幸せを定義しているとすれば、人の行動の原動力もそこにあるのかもしれません。

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)

※この記事は10月15日に配信した、セレクションアンドバリエーションのメルマガ記事を少し遅れて転載したものです。

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