やっぱり、出世する人は……
今日も、とある組織の昇進面接官をしてきた。
毎年恒例なせいか、なんとなく受験者側に質問のノウハウがバレだしている気もする。
たとえば、質問をした瞬間に「キター!(^^)!」みたいな表情をする人がいたりして。そこからすっごく流暢に答えが出てきて、うーんなんだかなぁ、これって対策とられてるんじゃないかなぁ、と面接官同士で話し合ったりもする。
もう何年もやってるし、受かった人は自分の同期とか後輩に、何を聞かれたか、とか話しているだろうし。
とはいえ、対策を取られても、やっぱり合格点にはそれほど影響はしない。
なぜなら、「自信」を持って答える内容そのものが、出世する人とそうでない人とで違うからだ。
出世しない人≒面接で低い点数がつく人は、「顧客にどれだけていねいに対応したか」とか「自分がどれだけ効率よく仕事をしているか」とか「同僚や部下のモチベーションをどれだけ維持し引き上げているか」とかを自慢げに話す。
それは多分今の評価基準であって、それにしたがって行動することは、目の前の評価を良くする。けれども出世にはあまり役にたたない。
出世する人≒面接で高い点数が付く人は、「クレーム顧客をどうやってファンに変えたか」とか「チームの効率をどうやって改善したか」とか「結果につながる行動をどうやって引き出してきたか」を話す。
私が、じゃなくて、私たちが、で話すことも特徴の一つだ。
丁寧な仕事をしっかりとしている人を出世させないことに、なんとなく胸が痛むときもある。
けれども、その人を出世させてしまうと、その部下たちが苦労することが目に見えている。
自分を中心としたまわりの3メートルで働いている人、お客様だけを見るんじゃなくて、もう少しだけ俯瞰的に見ることができれば、きっとみんな成長できるのに。
そんな残念さを感じながら、また面接を続ける。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)