フラクタルマネジメントで組織とビジネスは進化する
ずっとあたためているマネジメント概念がある。
それはこういうものだ。
ここにある三角形はそれぞれ、社内で行っている各種施策を示している。
たとえば以下のようなイメージ。
この例では、ガチガチの年功人事はさっさと変えた方がいい。
改革の方向性としては、「淘汰」=セレクション・ドライバーを高めるか、「多様性」=バリエーション・ドライバーを高めるか、あるいはその両方だ。
育児休業の期間延長は、多様性を高めるのに効いている。
しかし淘汰の方向には効いていない。多様性が企業戦略に合致していればいいのだけれど、多様なだけの組織はまとまりがつかない。それ以外のマネジメント施策=主には淘汰系と併せないとうまく機能しないことがわかる。
社内FA制度は淘汰と多様性双方に聞くが、運用の中での結果をモニタリングする。
現場で否定されたり、FAした人が活躍できなかったりするのであれば、至急対策が必要だからだ。
それらは組織の進化の過程を示している。
淘汰(セレクション)と多様性(バリエーション)の二軸のマトリクスになる。
氷河期に属する会社は強い。しかし疲弊しやすい。
進化のるつぼは成長する。しかし突然倒れる。
生命の海には可能性がある。しかし何も生まないかも知れない。
そして楽園には安定と安心がある。未来のない安定と安心だけれども。
だから進化は常にらせん状に進み、タイミング毎に課題を変える。
氷河期から多様性を増していけば進化のるつぼにたどりつく。尖った強さは減り、さらに突然死を迎える可能性は増えるけれども、飛躍的に成長できる可能性を得る。
強くなっているエクセレントカンパニーは、必ずこの過程を通っている。
大きくなりすぎてなんでもやるようになった大会社から、ベンチャー的に選抜されてるつぼへ向かう。そして先鋭さを手に入れてスピンオフする。
新しい時代の旗手となる企業はそうやってうまれることもある。
セレクションアンドバリエーションという会社を作ったのは、実はこのマトリクスを定義したからだ。
今後、じわじわと公開していくつもりだ。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)