相対評価は2:6:2から1:7:2へ
評価制度運用で相対評価が使われることが多いのですが、その常識が変わりつつあります。
一般的には、働かないアリが生まれる理屈にあわせて2:6:2、の正規分布が良く使われます。
けれども、この比率はヒトの評価にはあまり向いていない、ということがわかってきました。
もちろん、働き度合いについての割合はアリもヒトも2:6:2に近くなります。
よく働く人が2割。あまり働かない人が2割。普通の人が6割。
問題はそのことをそのまま指摘したときに、ヒトが改善しない点にあります。
さらにチームワークも阻害されやすくなります。
その原因は嫉妬です。
たとえば10人の部下がいる課長が2:6:2で相対評価したとしましょう。
2人が良い評価のA、6人が普通の評価のB、2人が悪い評価のCになります。
この結果をB評価のbさんの視点から見てみると、どうしても嫉妬しやすくなる状況がわかります。
bさんの視点だと、この評価結果は「周りにいる7人のうち2人が高い評価をもらっている」というように見えてしまいます。
あと2人いる低い評価の人は目に入りません。
そして、なぜ自分がその「高い評価」側にいないのか、と不満に思ってしまうのです。
ここで相対評価を1:7:2に変えるとどうなるでしょう。
bさんから見ると「周りにいる7人のうち1人が高い評価をもらっている」となります。
この場合だと「まああいつなら仕方ないか」というような感想に変わることが多いのです。
集団の中で嫉妬を生むしきい値について諸説ありますが、おおよそ25%前後だと思われます。
だから良い評価を与える割合を25%未満、できれば10%前後にまで引き下げることで集団の中の嫉妬の感情を抑えやすくなるのです。
さて、良い評価1人分が減った分はどうしましょう。
あなたなら、次のどれを選びますか?
A 1人残った良い評価の人に与える
B 普通の評価の人たちに割り振る
C 悪い評価の人に与える
回答はこちらです。
Aを選んだ人はこちら
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Bを選んだ人はこちら
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Cを選んだ人はこちら
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平康慶浩(ひらやすよしひろ)
※この記事は11月29日に配信した、セレクションアンドバリエーションのメルマガ記事を加筆修正したものです。