NIKKEI STYLE寄稿から考える日本中が「異世界転生」にあこがれているのではという仮説
NIKKEI STYLEに寄稿している記事は、そのタイミングごとにトピックを考えています。
ふりかえってみたらなんか見えるかな?と思ったので、タイトルだけ列記してみます。
- 質問と「やってみる」 働かないおじさん化しない方法(2021/6/8)
- 仕事を抱え込む人はご用心 定年間際の人事異動の意味(2021/6/22)
- 出世の王道「社長になる」 競争のチャンスは4回だけ(2021/7/6)
- コーポレートガバナンスコードも出世の指針 注目点は(2021/7/20)
- 柔軟な組織はリモートワーク苦手? 明暗分ける違いは(2021/8/3)
- 日本企業の給与は本当に安い? 情報源から見える真実(2021/8/17)
- 失敗呼び込む「視野狭窄」 脱却に有効なゲームとは?(2021/8/31)
- 秋の人事評価対策 環境変化への対応をアピールしよう(2021/9/14)
- 会社がジョブ型に変わったら… 職務記述書をまず熟読(2021/9/28)
- リスキリングに踊らされるな まず目の前のツール活用(2021/10/12)
「出世」を軸にした、働き方とか考え方とか参考にすべき情報とかを紹介する記事がメインなんですが、記事公開後の反応が変化しているような気がしています。
特に今年の7月以降。
特に感じるのは「良い方法を知って努力しよう」という系統の記事に対して反応が薄かったり反発されることが増えていることです。
努力とか改善とか自己客観視とか、疲れてるのかな、と。
で、そのような傾向が別の形で出ていないかな、と考えました。
そうして気づいたのが、最近マンガや小説でも「異世界転生」モノが流行していることです。それだけですでに1ジャンルになるくらい。
異世界転生モノは、ザクっといえば現代で不遇に死んだ人が異世界に転生し、生まれながらの素晴らしい能力を得て素晴らしく活躍する物語です。
もともとの発想はロールプレイングゲームをベースにしたファンタジー物語から来ているようにも思います。
数ある異世界転生モノでも、人気がある作品は、いずれも最初から得ている才能を踏まえ、敵やライバルとの出会いの中でしっかり努力はします。
ただ、その努力に対する成果も、かなりすぐにリターンとして得られています。
最初から豊かな才能を持ち
努力すればすぐに報われる
そんな異世界転生物語が今流行しています。
それと、「良い方法を知って努力しよう」という方向性があまり好まれなくなっていることと、関係があるような気がしています。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)