あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

会社はコンテンツやタレントを束ねるプラットフォームになる

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2016年に出した「マンガでわかる いまどきの『出世学』」には、会社はプロジェクト化する、と書きました。

それから3年近くがたって、プロジェクトよりはプラットフォームの方がしっくりくるような気になっています。

なぜなら、プロジェクトは終わりがあるけれど、プラットフォームは環境とか足場になる構造物とかを意味していて、それはつまり終わりがないものだからです。

 

証券化の世界でいえば、ビークルに近い印象を持たれる方もいるでしょう。ただ少し違うのは、ビークルは投資家に利益を運ぶ乗り物であり、自分自身を成長させることはないという点です。

一方プラットフォームは、自分自身を成長させることで、存在意義を高めてゆきます。また利益を生み出した先に届ける相手は、投資家だけではない点も異なっています。

そうして考えてみたときに、プラットフォームとしての会社が備えるべき要件がいくつかピックアップできました。

 

第一に、プラットフォームには軸が必要です。

何のために存在するのか、という意義と言い換えても良いでしょう。

 

第二に、プラットフォームには自由度が必要です。

軸がぶれない限り放置されるべき、行動の自由度です。

 

第三に、プラットフォームにはつながりが必要です。

プラットフォームはそれ自体の価値を高めるために、外部の他のプラットフォームやタレント、コンテンツとつながる必要があります。

 

これらは言い換えるなら、プラットフォームに属するタレント達に求めるべき行動基準ともいえます。

そして行動基準を具体化するものが人事制度であるとするなら、「軸」「自由度」「つながり」を常に意識させ前向きに行動できるような仕掛けこそが、これからの人事制度ではないかと考えています。

 

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)