40代以上こそが多様に活躍する時代
前回記事はこちら。
今回は、紹介したグラフの僕なりの読み解き方を書いてみる。
結論を一言で言えば、「40代以上にこそ多様な活躍が求められる」ということだ。
■ 40代前後の人たちが直面する三つの課題
前回記載したグラフは、高齢層が増えて若年層が減る、というように見えたと思う。
でもそんなマクロのことを考えても仕方がない。
大事なことは、一人一人にとってどんな変化があるか、だ。
ちょうど僕は人口のボリュームゾーン(今35~50才くらいの世代)にいるので、その世代を例にあげてみよう。
僕たちの世代が活躍する場面において重要なことは3つある。
第一に、会社の中のポストよりも人数が多い、ということ。
だから上のポストを得ていくタイプの出世を目指していても、必ず手に入るとはかぎらない。むしろ、自分のためのポストを社内に作っていくようなことが求められる。
出世する人は人事評価を気にしない (日経プレミアシリーズ)の内容でいえば、187ページからの第六章がそれにあたる。
第二に、僕たちの世代もまた、働き方の変化にさらされている、ということ。
たとえば最低限の英語力は今よりも必要になるだろう。
どうこう言っても続いていた年功的な考え方は、どんどん消えていく。そして二回り違う若者と仕事を取り合う場面も出てくるだろう。
それだけではない、様々な働き方の変化が、これからさらに増えるだろう。
僕たちが社会に出たあたりから、「働き方」が大きく変わってきた。
パソコンがあたりまえになり、ネットワークがあたりまえになり、遠く離れていてもつながりあうことがあたりまえになってきた。
そんな時代しか知らない僕の周りの20代の人たちに、
「パソコンなし、インターネットなし、携帯なし、と言う状況でどう働いていたのか想像できる?」
と聞いてみた。
「えーと、資料は手書き、なんですか?じゃあ習字とか習ってました?」
「ものすごくのんびり、とかですか?」
「待ち合わせとかどうしたんですか?」
「調べ物は図書館?それともたくさん本を買っておいたんですか?」
逆に質問攻めにあった。
団塊の世代が「メール?そんなもんいらん!」「タッチタイピングなんてこの年で覚えられるか!」などと愚痴っていたことを思い出してみよう。
同じような変化は常にある。逆に今を変化の時代としてとらえられていなければ、僕たちの頭はずいぶん固くなってしまっているのかもしれない。
そして第三には、稼げる限り稼ぎ続けなければならなくなった、ということだ。
年金はこの15年で15%も目減りしている。
人口動態を見る限り、年金が増える可能性は皆無だ。さらにインフレが進むと、年金だけで暮らすことはずいぶんと難しくなるだろう。
まとめてみよう。
第一に、自分のポジションを自分で作らなくてはならない
第二に、働き方の激変に対応しなくてはならない
第三に、いつまでも働き続けなければならない
僕が人口動態グラフから読み取るのはそういうことだ。
■ 僕たちが選べる選択肢
となれば、僕たちが選べるのは、たとえば次の絵のような選択肢だ。
この絵の中でちょうど赤い〇で囲ったあたりが、僕たちの世代に与えられた選択肢だ。
ほとんどの人は会社に入って、そこで出世競争をしてきただろう。でも今後はその道も、細っていく。
だからむしろ、起業・独立を選ぶ人が増えるだろう。決して楽な道ではないけれど、会社にいられるのは65歳までだ。
人によっては投資・副業に精を出す場合もある。
それらを越えて、出世を求めず「足りるを知る」生き方を選ぶ人もいるだろう。
どれがいい、ということは断言できない。
ただ、いずれにしても僕たちの世代こそが、自分なりの、自分らしい活躍を目指さなければいけない、ということだけは言えると思う。
ではまた明日(多分)。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)