あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

2014-01-01から1年間の記事一覧

都道府県別年収分析(後編):東京・愛知・大阪とで違う給与の仕組み

都道府県別年収分析の前編、中編は以下のリンクへどうぞ。 (前編)意外な県の平均年収が高い! (中編)偏差値でわかる地域の特徴 中編で 「東京と愛知と大阪とで、年収を決める要素が違っている可能性がある」 と書いた。 じゃあ何が違うのか、ということ…

都道府県別年収分析(中編):偏差値でわかる地域の特徴

前編はこちら。 正解は以下の通り。 5位が滋賀県 9位が三重県 10位が茨城県 大阪民としては悔しかったりする。大阪の平均年収が549万2千円で、滋賀県が541万8千円なわけだから。 まあでも、京都の平均がそれよりも下だからいいか……すいません、…

都道府県別年収分析(前編):意外な県の平均年収が高い!

クライアントとのミーティング資料をつくりながら、とある統計処理をしなければいけなくなったのだけれど、ついでにやってみた分析が面白かったので掲載してみる。 (寒さのため、花見の予定をキャンセルしたので時間が余ったということもある。) 元データ…

課題を解決するだけでは二流

前回記事【3-2】経営企画や財務経理じゃなくて、人事部門だけが持つ強みがある 人事部門のあなたに対して,社長が与える課題を思い出してみよう。 まず,きれいな課題ならこうだろう。 「優秀な人材を採用したい」 「いち早く従業員を育てたい」 「社員を自…

経営企画や財務経理じゃなくて、人事部門だけが持つ強みがある

前回記事【3-1】人事部門が儲けの仕組みに貢献する方法 ■ 分析後対応こそが人事の強み 人事部門の圧倒的な強みはなにか? それは適正配置を提言できるということだ。 前回の例では,分析後2 種類の対応を提案した。 「拠点別・部門別生産性分析」で判明した…

人事部門が儲けの仕組みに貢献する方法

前回記事【2-3】役員を育てる人事機能とは まず理屈や必要性よりも先に、人事部門が儲けの仕組みに貢献する方法を説明しよう。 それは生産性についての分析資料を作成し,提示することから始まる。 ■ 生産性分析資料の作り方 「生産性の分析」というと付加価…

(本当は怖い)民話と人事 第2回 姥捨て山と定年制度(後編)

(本当は怖い)民話と人事 第2回 姥捨て山と定年制度(前篇) の続きを書こう。 ************************************** 実は定年制度とは、姥捨て山とはまったく異なる目的で作られた仕組みだ。 それが、姥捨ての因…

(本当は怖い)民話と人事 第2回 姥捨て山と定年制度(前編)

前回の記事はこちら 民話と人事 第1回(本当は怖い)民話と人事 第1回 大歳の客とマレビトと終身雇用 - あしたの人事の話をしよう 民話と人事、第2回は姥捨て山にしてみよう。 姥捨て山は悲しい話だ。 そして昔話ではなくなるかもしれない。 僕たちは、これ…

役員を育てる人事機能とは

前回記事【2-2】「新しい役員」の3つの役割 では人事として,どのように役員を育てる機能を持つのか。 もちろん,人事担当役員や人事部長が役員を教育するという意味ではない。 人事が役員を育てるために持つべき機能は,日々の活動のなかにこそある。 ここ…

「新しい役員」の3つの役割

前回記事【2-1】旧き良き役員は不要になる へ ビジネス最前線での指揮官としての役員の役割は3 つある。 1 つ目は,そのなかでも最も重要な「意思決定」だ。 「持ち帰って検討します」と答える役員に存在価値はない。 YES-NOをはっきりと自己責任で答えるこ…

旧き良き役員は不要になる

前回記事【1-2】人事にしかできない仕事とは へ 長らくの間,役員とはキャリアのゴールだった。 長い会社員生活のなかで培った社内外の人間関係をもとに,社内や取引先との調整を円滑に進める立場。 そうして役員退任後は理事になったりもした。 しかし今や…

人事にしかできない仕事とは

前回記事【1-1】「できる人事」の条件とは へ 経営者側の目線に立って一言でいえば,経営企画の仕事は「経営の道筋を示すこと」だし,財務経理なら「損をさせないこと」だ。 では,人事の場合,人事制度を改定したり,人材を教育したりして,それが経営にど…

「できる人事」の条件とは?

【連載1-1】 あなたはルーチン業務に忙殺されていないだろうか。 勤怠を集計して給与計算を行ったり,入退社に合わせて社会保険手続きを行ったり。 半年毎,あるいは年次単位での定期的な評価の運営も大変だ。 評価スケジュールを周知して,結果を回収し,提…

コミュニケーション力がなくても、ソーシャル力は高められる

これからの時代を生きていくためには、スキルアップに加えて、つながりをつくろう、信用をつくろう、という見解があるのでそれはもっともだと思う。 例えば山口揚平さんが書いている文章を読んでそう思う。 でも、ちょっと待てよ、と思う部分もあるわけで、…

(本当は怖い)民話と人事 第1回 大歳の客とマレビトと終身雇用

良い教訓を教える民話から、昔の村社会の生活スタイルを読み取れることがある。 それはそれぞれの民話が成立した時代には当然のこと、あるいは暗黙のことだったりしたのだけれど、現代の視点から見て恐ろしいことがある。 僕は高校生の頃まで民俗学者になり…

小説仕立てでビジネス書を書く準備中

年内に出す本の一部を小説仕立てにしようと考えている。 そういえば、カリスマブックコンサルタントの土井英司さんも、ビジネスブックマラソンというメーリングリストで「これからは経済小説だ!」と言うようなことを書かれていた。 で、とりあえず練習練習…

年収1億円になった人から1年以上先の目標を聞いたことがない

またまた続きを書く。いつまで続くかな。 年収1億円を稼ぐ人に共通点はあるのか - あしたの人事の話をしよう 年収1億円稼ぐ人で無礼な人はいない - あしたの人事の話をしよう 年収1億円を超えた人が、そうなってきた過程を思い出してみた。 そうして気づいた…

年収1億円稼ぐ人で無礼な人はいない

2月23日に書いたブログ記事の続き。 年収1億円を稼ぐ人に共通点はあるのか - あしたの人事の話をしよう 僕がお付き合いしてきた年収1億円以上の人の共通点をいろいろと考えてみた。 その中のひとつ、を書いてみる。 ちなみに年収1億円、というのは、1億円稼…

「失敗の整理術」という本を勧めたい

元横浜市長で現在衆議院議員をされている、中田宏さんから、著書を献本いただいた。 大阪市の公募区長面接でご一緒した際に、その見識などに勉強させていただいたことが思い起こされる。 一昨年出版した僕の本「うっかり一生年収300万円の会社に入ってし…

年収1億円を稼ぐ人に共通点はあるのか

今日から文体を変えてみる。とある本を出す準備、ということもあるのだけれど。 ************************************* 一昨年くらいから、年収1億円、というキーワードがわりと出回っていて、僕自身は興味ないけれど…

人事評価制度を設計するための実務本を書きました

意外と多くの会社で、自力で人事評価制度をつくっておられます。多くの中小企業と、あと大企業でも多いようです。 中小企業だと、「わざわざ人事コンサルタントに頼むほどでもない」とか「誰に頼めばよいかわからない」「何のために総務とか人事とかがいるん…

就職という常識を変えてゆきたい

Facebookには少し書いたのですが、この2月から個人的な勉強をはじめています。 本当は勉強会にしたいのですが、勉強会にした場合、参加することの意義が必要になるわけで、まだそれをはっきりと出すことができません。とりあえず現時点で某友人弁護士さんが…

沖縄土産に本をもらいました

妻と娘が私を一人残して沖縄旅行へ行ってたのですが、お土産を買ってきてくれました。 娘からは、サーターアンダギー。 「おいしいよ!」 と言いながらくれました。 でもなぜか袋が開いています。 「1個飛行機で食べたから。だから味は保証つき♪(はーと)…

出世とはなにか

今日は短いお話。 会社の中のルールである人事制度の話をいろいろと広めてきて、どうも出世という概念についての誤解が多いような気がしています。 会社の中で出世するってどういうことでしょう。 一言でいえば、出世とは会社にとって不可欠な存在になってい…

継続雇用の仕組みは60歳よりも前の世代に向けて作る

SMBCコンサルティングの時事セミナーで話してきました。 改正高齢者雇用安定法にどう対応すべきか、という話です。 【時事】60歳以降の再雇用時代の人事制度のあり方 http://www.smbc-consulting.co.jp/company/seminar/kansai/month/201401/seminar_201…

自己責任をどう考えるか~人事評価制度のつくりかた本を出版するにあたって

私の仕事は人事評価制度をつくることが主な仕事でして、その仕組みで会社を発展させたり、会社で働いている人たちに自己実現とか成長できるようにしています。 人事評価制度を作るノウハウをまとめて、2015年2月に明日香出版というところからこんな本を…

ホンネの就職活動指導の一例

先日、親しい方からの依頼で、大学3年生のお嬢さんの就職活動の相談にのりました。 その時にいただいた感想が、「大学のキャリアセンターで聞いた話と全然違いますね」というものでした。 多少なりとも役にたったかどうかは、彼女が納得のいく就職ができる…

会社の業績はいいのに給与が増えないなら100円の本を読もう

経済3団体の新年祝賀会で、安倍首相が賃金アップをお願いするという、ある意味非常事態になっています。 政府が民間企業の給与水準に口を出すなんてまるで戦時中の賃金統制令のようです。賃金統制令は、逆に給与をあげられないようにして年齢給を徹底させた…

今年は投資の年になるんだろうと思う

あけましておめでとうございます。 パソコン画面右下の日付も2014年に変わりました。ただの区切りではあるのですが、気持ちを一新させてくれる力が正月にはあるような気がします。 年があけて三日間の日経新聞を読んでみると、今年はおそらく投資の年になる…