あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

2014-01-01から1年間の記事一覧

セミナー紹介「等級制度を変えないと旧い人事の常識は変わらない」という話をします

2014年10月3日(金)の14時~16時で、こんなセミナーで話をする。 セミナー情報: 等級制度で理解する人事評価制度の本質 | Glodea 【構成】 1.職能等級制度の限界と今後 2.等級制度の変革が持つ意味 3.自社の等級制度をどう見直すべきなのか 4.人事…

飢餓感がチャレンジ精神をはぐくむ

ヒアリングをすると新しい発見がある。一つの企業を支えてきた役員たちのふとした言葉に、多くの気づきを与えられる。 8月から、新しいクライアント1社の人事制度設計を始めた。 最初に各種分析をして、それからさまざまな人にヒアリングをしている。この…

習うのと慣れるのは同じ価値がある(人事のお話です)

僕の25年来の友人に、割烹の板前がいる。 大阪の割烹の息子で、高校卒業後は辻調理師専門学校で学び、その後は師事した親方と4~5人のチームを組んで、いろいろな店を巡っていた。いくつかの店では僕も常連になり、店と彼の成長とを応援していた。 今や…

地動説は天動説信者を説得できなかった(人事の話です)

僕たちは今、地球が惑星であり動いていて、世界もまた動いていることを知っている。 つまり、天動説も地動説も正しい、と言うことを知っている。それぞれが排他的でない、と言うことを知っている。 でも、昔はそうじゃなくて、地動説がひろまったときにはコ…

社員が少ないからと言って人事制度設計は簡単じゃない

100人以下の会社で人事制度設計を頼まれることがあるが、僕はコンサルティングにかかる費用を値引きすることはない。 なぜかといえば、人数が少ないからこそ、制度設計が大変なことが多いからだ。 たとえば100人の会社と1000人の会社があるとしよう。 人事制…

最近、良書にめぐまれている

この一週間でいい本に二冊巡り合った。 人生には、今このタイミングでこの本に出会えた喜び、というのがあると思う。 僕自身の昔のことでいえば、「遠い太鼓」と言う本に出会った時がそうだった。 遠い太鼓 (講談社文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 講…

年収300万以下の人が増え続けていることについて

2012年末に「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ」と言う本を東洋経済新報社から上梓した。 年収300万以下で働く人たちが50%近くにまで増えているということや、毎年の平均昇給額が5000円もない状況(1990年代までは1万円くらいはあった)…

5分間で出来る初対面でリーダーとみなされる方法

今回は初対面でリーダーとみなされる方法についてお話します。(就活をひかえている学生の方、グループディスカッションなんかでもとても役に立ちます!!)とはいっても、身なりや素振りのような外見的な面ではなく、心理的なアプローチをうまく使った方法…

成功するリーダーに共通する家庭環境

※ 今回のブログ記事は、セレクションアンドバリエーションの若手アナリストに書いてもらいました。興味深い論文を読んだらしく、その内容を彼なりに咀嚼したものです。 *********************************** 他人の成功…

人事評価制度改革についての個別無料相談会を実施しています

セレクションアンドバリエーションでは、毎月2日間にわたって、人事評価制度についての個別無料相談会を実施しています。 開催場所は大阪北ヤードにある、グランフロント北館7階、ナレッジサロンにて。 1社につき1時間をフルに使って、様々なご相談にお…

インセンティブの仕組みの本質

人を動かすための仕組みに、インセンティブ、がある。 「インセンティブ設計の経済学」伊藤秀史・小佐野広(2003)勁草書房、によれば、広い意味での「インセンティブとは『やる気を起こさせるもの』『アメの期待とムチの恐れとを与えて、行動へと駆り立てる…

人事制度の次のキーワードは「エスニシティ」だと思う

Photoby:Yasin Hassan Creative commons これはまったく僕の予想にしかすぎないのだけれど、それでも、人事評価制度をつくっている現場の感覚で、実感し、予想することがある。 これから数年間、こっそりと、「エスニシティ」が重要視されはじめるんじゃな…

なぜ世界で仕事するのにハーバードで学ぶことが大事なのか

これはテストページです。 何のテストかと言えば、このページ ベストセラーのタイトルを分析してみたらこんなことがわかった - あしたの人事の話をしよう で分析した結果が、人をひきつけるかどうかのテストです。 検索などでこのページにたどり着いたあなた…

ベストセラーのタイトルを分析してみたらこんなことがわかった

572冊のベストセラー(過去1年半から抽出)のタイトルを、テキストマイニングで分析してみました。 ぶっちゃけてしまえば、kh-coderというテキストマイニングツールを使って、簡単な単語の抽出をしただけですが。 それでも案外面白い結果が見えたような気が…

人生に目標をたてると落伍者になります

photo by Angus柒 僕は、就職活動中の若者たちの前で必ず話す言葉があります。 「目標は立てちゃだめです。ばかばかしい夢を持ちましょう」 なぜこんなことを言うかと言うと、目標を立てて、それを達成するために頑張ることは、人生において一利はあっても、…

【5-3】退職を卒業に変えれば、スモールワールドネットワークが生まれる

Photo by HotDuckZ creative commons 前回記事【5-1】わが社の定年退職者を幸せにするために ■ アルムナイ(卒業生)を組織する ハッピーな退職の仕組みをつくるための、小手先でない第2 の方法を説明する。 それは、アルムナイのネットワーク化だ。 アルム…

【5-2】わが社の定年退職者を幸せにするために

前回記事【5-1】定年制度とは城か檻か -ハッピーな退職のためへの思考と仕組み Photo by hapal creative commons ■ 退職が不幸になる理由 かつて定年退職がハッピーであったのは、潤沢な退職金や年金が保証されていたからだ。 土地神話も存続していたので、…

【5-1】定年制度とは城か檻か-ハッピーな退職のためへの思考と仕組み

前回記事【4-3】経営者が知りたい「優秀さ」とは 今回も前回に続き、結論としては「つなぐ」話だ。 ただし、つなぐ対象は“退職した人同士”である。 それは会社と個人にとって「退職」を幸せなものに変えるということでもある。 もちろんそんな取り組みは人事…

順調に給与を増やしたい人はどんな会社を選べばよいのか

今年も某大学の就職セミナーで話すので、そのための考え方を整理してみる。 今回のお題は『順調に給与が増える会社の選び方』 ************************************ それはどんな会社なのか? その前にまず、給与が増…

【4-3】経営者が知りたい「優秀さ」とは

前回記事【4-2】まず新人からはじめよう ■ 知りたいのは「成長する人材」 前回記事に記載したように新人だけを可視化しても,対象人数はわずかだ。 社歴の長い会社であれば在籍している従業員は,60歳定年としても38年次にわたる。65才定年であれば、43年次…

【4-2】まず新人からはじめよう

前回記事【4-1】誰が優秀なのか、なんてわかりきってる ■ 新人の自己紹介よりも、人事が新人紹介をする 最初の答えは,新人情報の可視化だ。 それも社内報に掲載されるような自己紹介などではない。 人事の目線で,どんなスキルを持ち,どんな行動をし,中途…

【4-1】誰が優秀なのか、なんてわかりきってる

前回記事【3-3】課題を解決するだけでは二流 前回,「経営者に気づきを与える存在こそが経営ブレインだ」と書いた。 今回紹介する記事ははその“気づき”の最たるものであり,まさに人事担当者の醍醐味でもある。 第1 回で書いたこの連載の趣旨は,「企業を成…

目標管理制度を「目標達成度を評価する仕組み」として使うとうまくいかない

目標管理制度と言う、人事評価の仕組みがある。 かなり一般的な仕組みなので、ほとんどのサラリーマンの方なら少なくとも聞いたことはあるだろう。 目標管理制度とは、目標をたてて、目標を達成するために努力して、その結果で評価される仕組みだ、と思われ…

残業代ゼロ法案で年収が23%アップする?

■ チェックが甘ければ確かに悪用されるかもしれない、けれど 著名な方々が、アベノミクスの労働時間規制の見直し=いわゆる残業代ゼロ法案について反対意見を示している。 山崎元さんのこの記事とか。 「残業代ゼロ」法案はブラック的で的外れ。労働の規制緩…

年金制度は老後の時限爆弾だ(公開中止)

*******お詫び******* 当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。 先ほどアップした記事がはてなブックマークのトップページに公開されたため、多くの方に訪れていただいているようです。 しかし、先ほど公開した「年金制度は老後の時限…

なぜ履歴書まで送ってきておいて面接に来ない人がいるのか?

「アルバイトの採用状況、どうですか?目標人数達成できそうですか?」 定例ミーティングでの僕の問いかけに、管理部門のYマネジャーは苦笑いした。 「厳しそう?」 「いえ、応募はあるんですが……」 「なにかまずいことでも?」 「ちょっとご相談しなきゃい…

人事制度を理解すれば転職で損をしない(前編)  年俸制は損か得か?

転職するとき、「うちは年俸制です」と言われることがある。 大企業なら30%以上が年俸制を導入しているし、中堅企業でも20%~30%の企業で年俸制を導入している。 月給制の会社から年俸制の会社への転職だと、年収が増える、と考える人も多い。しかし年俸…

就活・転職活動のときにトイレを借りるべき3つの理由

就職や転職のとき、志望している会社の中身をどうやって知ればよいのだろう。 会社案内やホームページ、それに面接官がどういう人か、などから推測するしかないのだろうか。 面接される側として、会社の内容についてあまり具体的に聞くことも難しい。 仮に聞…

さよなら能力評価(後編):潮目が変わった人事制度 第2回

さよなら能力評価(前編)はこちら ■ 旧い能力評価はもういらない 能力評価がなんのためにあるのか。 検討ポイントはそこにあった。 それは、僕たちにとっての「あたりまえ」を覆すきっかけでもあった。 前編に書いたように、そもそも20年以上前の多くの会社…

さよなら能力評価(前編):潮目が変わった人事制度 第1回

人事制度の潮目が変わってきたなぁ、と感じる。 過去と言ってもそんなに昔じゃない。たとえば10年前とかそれくらいの常識が、2014年の今年くらいから大きく変わっていく気がしている。 僕は売上高ウン千億円の大企業や数百億円の中堅企業、100億円以下の中小…