あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

雑誌連載記事

40代で2倍の業界格差(日経スタイル連載3回目)

日経スタイルでの連載3回目が掲載された。 style.nikkei.com 21世紀になって日本は本当に変化しているのだなぁ、ということがわかる。 今個人的に楽しみにしているのは、おそらく夏頃に公表されるであろう、転職についての統計数値。 業界格差が大きくな…

東洋経済オンラインでも連載しています

東洋経済オンラインというサイトでも、リンクのような連載が始まった。 toyokeizai.net 基本的には、2月にかんき出版から上梓した「課長1年目の教科書」からの抜粋なのだけれど、多少アレンジがされていて読みやすくなっている感じ。 第1回更新が4月11日で、…

日経Bizアカデミーの「昇進・昇格」コーナーがえらいことに

去年に引き続き、日経Bizアカデミーで私の本の一部を抜粋して、連載を掲載してくれている。 内容は本の一部なので、すでに本を買っていただいている方には既読の内容となっているが、買われていない方でご興味があればぜひ一読いただきたい。 bizacademy.nik…

サラリーマンの限界が見えた

先日、青春出版社のビッグトゥモローの取材を受けた。 その記事が掲載された9月号が発売されたのだけれど、すでにご覧になった方もいるだろうか。 「会社をやめても困らない3段階式人生プラン」という記事の最初に、人事に関する現状を示す役割として取材…

早期選抜の上手な進め方

僕が早期選抜の重要性を強く感じはじめたのは、一昨年からだ。 その頃、とある大手メーカーの人事制度改革を担当していた僕は、海外から招へいされたマーケティング担当役員と話す中で、あることに気付かされた。 第一に、海外のエグゼクティブは若い、とい…

人材育成は組織の弱みを引き下げ、強みを高めるために行う

セミナー講師をしている関係で、雑誌の取材を受けた。 SMBCマネジメント+(プラス)。 三井住友銀行系列の人材教育会社、SMBCコンサルティングが発行している月刊誌だ。 雑誌のHPはこちら。 SMBCマネジメント+(プラス) : Business Watch : SMB…

日経ビズアカデミーの連載最終回にあたって思うこと

日経ビズアカデミーで、8回にわたって連載していた記事が2015年2月10日掲載分で最終回となった。 内容は、「出世する人は人事評価を気にしない (日経プレミアシリーズ)」からの引用なのだけれど、特に読者のみなさんに役立つ部分を引用していただいたように…

日経ビジネスアカデミーで連載されています

日経ビジネスアカデミーと言うサイトがある。 「日本経済新聞社が提供する、仕事力を鍛えたい、もっと向上させたいと考えているビジネスパーソンを応援するサイト」(同サイトより) なのだけれど、実は2014年12月9日からそこで僕の記事が連載されている。 …

【人件費の近未来2-4】 職務給導入時のポイント

(当記事は、月刊人事マネジメント2014年3月号から1年にわたって連載した記事を、2015年の現状にあわせて加筆修正したものです。) 前回記事はこちら。 【人件費の近未来2-3】 職務給の課題は運用面にある ************************…

【人件費の近未来2-3】 職務給の課題は運用面にある

(当記事は、月刊人事マネジメント2014年3月号から1年にわたって連載した記事を、2015年の現状にあわせて加筆修正したものです。) 前回記事はこちら。 【人件費の近未来2-2】 職務給導入のニーズは2つに絞れる *********************…

【人件費の近未来2-2】 職務給導入のニーズは2つに絞れる

■職務給導入 第一のニーズは採用力 職務給を導入した理由を企業に確認してみると、主なニーズは二つだ。第一のニーズは、「優秀な外国人を採用するため」というものだ。似たような答えとして……

【人件費の近未来2-1】 職務給要素をどう取り入れるべきか

職務給を導入したいというニーズが、中堅以下の規模の企業でも増えている。あなたの会社でそう考えているとしたら、同時にハードルも高そうだ、と感じているだろう。2014年2月に出版した拙著で、それらの悩みに対する……

【人件費の近未来1-4】 高まった生産性の分だけベースアップする

(当記事は、月刊人事マネジメント2014年3月号から1年にわたって連載した記事を、2015年の現状にあわせて加筆修正したものです。) 前回記事はこちら。 【人件費の近未来1-3】 いくらベースアップすればいいのか - あしたの人事の話をしよう 2015年度対応は…

【人件費の近未来1-3】 いくらベースアップすればいいのか

他社よりも先んじてベースアップを実施すれば、労働市場では優位に立ちやすくなる。 しかし他社がまったく対応しない状況で、自社だけが対応するとすれば、利益率を若干押し下げてしまう。 ベアを実施したところで、社内のモチベーションが中長期的にプラス…

【人件費の近未来1-2】 ベースアップを取り巻く要因

ベースアップは行うべきなのか。 消費税10%への再引き上げは延期されたが、5%から8%への引き上げ影響は意外なほどに大きかった。 2014年のベースアップ平均は約2%だったが(連合発表)

【人件費の近未来1-1】 人件費には4つの性質がある

(当記事は、月刊人事マネジメント2014年3月号から1年にわたって連載した記事を加筆修正したものです) 今回からの連載では、人事部門に直面する人件費についての課題を、4つの性質を踏まえて解きほぐしていく。 可能な限り、人事部門がとるべき選択肢も具…

【6-2】従業員の声はまず管理職から

前回記事はこちらから【6-1】風通しのよい一枚岩の組織をつくる - あしたの人事の話をしよう ■ 従業員の声はまず管理職から 情報公開が進めば、そこから発生した従業員の声をどのように集めるのか、ということが次の課題になる。 そのためにアンケートや匿名…

【6-1】風通しのよい一枚岩の組織をつくる

前回記事【5-3】退職を卒業に変えれば、スモールワールドネットワークが生まれる - あしたの人事の話をしよう ■ 意外に伝わらない経営の思い 年初や半期ごとに全社集会を開催したり、あるいは社内報を発行したりすることで経営層メッセージを発信している会…

【5-3】退職を卒業に変えれば、スモールワールドネットワークが生まれる

Photo by HotDuckZ creative commons 前回記事【5-1】わが社の定年退職者を幸せにするために ■ アルムナイ(卒業生)を組織する ハッピーな退職の仕組みをつくるための、小手先でない第2 の方法を説明する。 それは、アルムナイのネットワーク化だ。 アルム…

【5-2】わが社の定年退職者を幸せにするために

前回記事【5-1】定年制度とは城か檻か -ハッピーな退職のためへの思考と仕組み Photo by hapal creative commons ■ 退職が不幸になる理由 かつて定年退職がハッピーであったのは、潤沢な退職金や年金が保証されていたからだ。 土地神話も存続していたので、…

【4-3】経営者が知りたい「優秀さ」とは

前回記事【4-2】まず新人からはじめよう ■ 知りたいのは「成長する人材」 前回記事に記載したように新人だけを可視化しても,対象人数はわずかだ。 社歴の長い会社であれば在籍している従業員は,60歳定年としても38年次にわたる。65才定年であれば、43年次…

【4-2】まず新人からはじめよう

前回記事【4-1】誰が優秀なのか、なんてわかりきってる ■ 新人の自己紹介よりも、人事が新人紹介をする 最初の答えは,新人情報の可視化だ。 それも社内報に掲載されるような自己紹介などではない。 人事の目線で,どんなスキルを持ち,どんな行動をし,中途…

【4-1】誰が優秀なのか、なんてわかりきってる

前回記事【3-3】課題を解決するだけでは二流 前回,「経営者に気づきを与える存在こそが経営ブレインだ」と書いた。 今回紹介する記事ははその“気づき”の最たるものであり,まさに人事担当者の醍醐味でもある。 第1 回で書いたこの連載の趣旨は,「企業を成…

課題を解決するだけでは二流

前回記事【3-2】経営企画や財務経理じゃなくて、人事部門だけが持つ強みがある 人事部門のあなたに対して,社長が与える課題を思い出してみよう。 まず,きれいな課題ならこうだろう。 「優秀な人材を採用したい」 「いち早く従業員を育てたい」 「社員を自…

経営企画や財務経理じゃなくて、人事部門だけが持つ強みがある

前回記事【3-1】人事部門が儲けの仕組みに貢献する方法 ■ 分析後対応こそが人事の強み 人事部門の圧倒的な強みはなにか? それは適正配置を提言できるということだ。 前回の例では,分析後2 種類の対応を提案した。 「拠点別・部門別生産性分析」で判明した…

人事部門が儲けの仕組みに貢献する方法

前回記事【2-3】役員を育てる人事機能とは まず理屈や必要性よりも先に、人事部門が儲けの仕組みに貢献する方法を説明しよう。 それは生産性についての分析資料を作成し,提示することから始まる。 ■ 生産性分析資料の作り方 「生産性の分析」というと付加価…

役員を育てる人事機能とは

前回記事【2-2】「新しい役員」の3つの役割 では人事として,どのように役員を育てる機能を持つのか。 もちろん,人事担当役員や人事部長が役員を教育するという意味ではない。 人事が役員を育てるために持つべき機能は,日々の活動のなかにこそある。 ここ…

「新しい役員」の3つの役割

前回記事【2-1】旧き良き役員は不要になる へ ビジネス最前線での指揮官としての役員の役割は3 つある。 1 つ目は,そのなかでも最も重要な「意思決定」だ。 「持ち帰って検討します」と答える役員に存在価値はない。 YES-NOをはっきりと自己責任で答えるこ…

旧き良き役員は不要になる

前回記事【1-2】人事にしかできない仕事とは へ 長らくの間,役員とはキャリアのゴールだった。 長い会社員生活のなかで培った社内外の人間関係をもとに,社内や取引先との調整を円滑に進める立場。 そうして役員退任後は理事になったりもした。 しかし今や…

人事にしかできない仕事とは

前回記事【1-1】「できる人事」の条件とは へ 経営者側の目線に立って一言でいえば,経営企画の仕事は「経営の道筋を示すこと」だし,財務経理なら「損をさせないこと」だ。 では,人事の場合,人事制度を改定したり,人材を教育したりして,それが経営にど…